そんなイトと私の出会いは数年前へと遡る。
出会いのきっかけは祇園にある馴染みのバーのママからの紹介である。
祇園に面白いママはいないだろうか?と話したの始まりでイトを紹介してくれた。
バーに迎えに来たイトを見て驚いた。
猫のような丸くてやや吊り上った目・・・
すらりとしたスタイルにブランド物のスーツを着てニコニコしながら店の中に入って来た。
「イトです。宜しくお願い致します。」と挨拶をすると
緊張も臆する事も無く私の横の椅子に腰を下ろす。
私に微笑み見せ小さく会釈をしながら名刺を差し出してきた。
その後、暫くはバーのママと話を交わしていた。
絶えず笑顔でニコニコしてる女である。
数分が過ぎただろうかバーを後にしてイトの店に行く事にした。
道すがら他愛も無い話をしながら花見筋にある店へと入っていった。
木製の重い扉を開けると二十畳足らずのお店で女の子が当時十人ほどいただろうか。
ボックスに腰を下ろすと五~六人の女の子が席にやって来て次次と挨拶と名刺を差し出してきた。
芸能人の話やドラマの話等他愛も無い話で盛り上がっている中、イトは私の向いの席でニコニコと
しながら話を聞いていた。
これが私とイトと言う女との始まりである。